デザインのこだわり:石の下の力持ち設計

「岩盤温泉」制作に携わったプロダクトチームの方より、
こんなエピソードを伺いましたので、ご紹介したいと思います。

岩盤温泉の底面には5mm高さの足が一体型で形成されています。
普段見えない場所ではありますが、
デザイン性と安全性と使い心地という視点から、一番最後まで設計を粘った個所でもあります。

最初は、足のないデザインでした。
しかし、床にピッタリとついてしまうと、
どこからみても「角がない」デザインの岩盤温泉は、持ち上げる際に指が引っ掛かりづらいことがわかりました。

実際に使ってみて持ち上げにくいのでは、
せっかくの「どこでも運べる岩盤浴」という特徴が損なわれてしまいます。

「角がない」デザインの岩盤温泉をいかに持ち上げやすくするか。
最初は左右両側にサイドに凹みをつける案も考案されましたが
それではデザインが損なわれてしまいますので本末転倒、即却下されました。

ではどうする?

そのとき、デスクに置かれたノートパソコンに視線が注がれました。
ノートパソコンの底面には、薄いゴムの足がついているため、薄くてもすっと持ち上がります。

そうか、足をつければいいのか!
ということで、わずかに高さを設けることに。

高すぎず、持ち上げやすいように低すぎずということで計算された5mmの足。

最初は丸いデザインでしたが、
ganbanonsen-foot-style-1

足元岩盤ということで耐荷重性・安定性を考慮し、
現在の形になりました。
ganbanonsen-foot-style-4

設計を担当したスタッフの一人は、
身近にあるノートパソコンから電卓、体重計まで
ありとあらゆる平らな機器を持ち上げては底面を眺め、床面とのベスト距離を測る毎日だったそうです。

いかがでしたでしょうか。
ちょっとしたことではありますが、まさに縁の下の力持ち、
岩盤温泉の底面について、ご紹介いたしました。